悪夢の始まり(05/13)
 

 

 

――あぁ、自分の運の悪さにほとほと参る。

 

 

昨日の今日なのに、ハセヲはまたあの男と出くわしてしまった。あの男が連続で@HOMEを訪れる

 

ことなんてなかったからと油断していた結果がコレだよ。もっと気を配ればよかったと後悔してもす

 

でに時遅し。ハセヲはオーヴァンの腕にいともたやすく捕らえられてしまった。

 

 

「もう、こんな・・・・・・」

 

 

身柄を拘束されながらも、最後の抵抗として必死に声を絞り出す。やんわりとこの男を拒絶する。

 

そんなハセヲを見て、オーヴァンは余裕たっぷりに耳元で囁いてきた。

 

 

「あの後、一人で自慰したんだろ?」

 

 

「えっ・・・なんで・・・」

 

 

なんで知っている、と言いたげな表情をしてしまった後にハセヲはハッとする。カマをかけられたの

 

だ。その証拠に、オーヴァンはくつくつと笑っていた。こうも簡単に引っかかるとは。自分の単純さに

 

あきれ果てる。カッと頭に血が上り、顔が紅潮していくのがわかった。

 

 

「お前のことならなんでも知ってるさ」

 

 

オーヴァンはそう言うと、目の前にモニターを出現させた。モニターは順々に映像を再生していく。

 

 

“んんっ・・・んぁっ・・・・あ、ああっ・・・”

 

“・・・ふぁっ・・・ぁあっ・・・あっ、ああんッ・・・・”

 

 

「・・・・・・ッ!?」

 

 

ハセヲは驚愕する。突如現れたモニターは無常にも、ハセヲの醜態をはっきりと映し出していた。

 

それは紛れもない己の自慰。あの時の行為はすべて、この男に盗撮されていたのだ。すぐに出て

 

行ったのはこのためだったのか。自分を踊らせるために何も言わず、わざと放置して行ったのか。

 

 

「・・・・・・ッ」

 

 

「よく見ろよ。・・・これがお前自身だ」

 

 

あまりの痛々しさに、モニターを見ていられない。だが、オーヴァンに顎を固定され、視線を逸らすこ

 

とは許されなかった。映し出されたソコは濡れて光ってさえいる。ハセヲは羞恥に苛まれるばかりで

 

あったが、モニターを凝視するほかなかった。

 

 

「もう、やめて・・・」

 

 

ハセヲの震える声が絞り出される。必死に身をよじって、オーヴァンの手から逃れようとさえしてい

 

た。もちろん逃がしはしない。オーヴァンは遠慮なしに、ハセヲの尻を掴んだ。

 

 

「あっ・・・・・!」

 

 

ハセヲの身体がビクンと震える。見られている意識が強まり、より敏感になってきているようだ。

 

 

「こんなに卑しく快楽を求めて」

 

 

「あ、あぁっ・・・・・」

 

 

布越しに、オーヴァンの手が秘部に触れてくる。サワサワと撫でられる感触がもどかしい。

 

 

「無闇に触っても、満足できなかったろ?」

 

 

「ひぅっ・・・・・・!」

 

 

ハセヲがくっと背筋を伸ばす。オーヴァンの指先がボトムスの中に侵入し敏感な肉に触れたのだ。

 

 

「もっと気持ちよくしてあげるよ」

 

 

「んぁっ・・・あ、ああっ!」

 

 

ハセヲの背筋がさらに伸びた。オーヴァンの指先が円を描くように撫で、いいように弄んでくる。

 

まだ浸入されていないというのに、そのじれったい刺激が、ジワジワと身体の疼きを高めていった。


 

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